世界大百科事典(旧版)内の尊王倒幕論の言及
【王政復古】より
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【日本】
19世紀前半,西欧諸国のアジア進出による対外的危機感の増大と,商品経済の浸透に伴う幕藩体制の動揺を前にして,外国の脅威に対抗するために国内の結束を促し,併せて幕藩体制を強化するという意図のもとに,〈水戸学〉の学者を中心として,日本は〈万世一系〉の天皇の君臨する諸外国に優越した国であるという〈国体〉の観念が唱えられた。この観念は1854年(安政1)の開国以降,これに反対する朝廷と幕府との対立がしだいに深まるにつれて,〈尊王倒幕論〉へと発展していった。〈尊王倒幕論〉は,〈攘夷〉すなわち外国勢力を打破するためには,幕府を倒して本来の統治者である天皇が政治を行う国家をつくるべきだとするもので,当初は〈勤王の志士〉と称する民間の武士の間で主張されたが,長州や薩摩のような大藩が朝廷と結んで幕府に対抗するに及んで巨大な政治力となった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」