世界大百科事典(旧版)内の小さ子の言及
【一寸法師】より
…御伽草子に収められていた物語が〈一寸法師〉と名づけられていたため,この種の昔話を〈一寸法師〉と呼ぶことが広く定着しているが,民間伝承の段階では,主人公を一寸法師と呼ぶほか,豆助,豆一,五分次郎,親指太郎など主として小さいことを示すようなさまざまな名前で呼んでいる。また,民俗学では,神話や伝説,昔話などに登場する,背丈の低い神や人物を〈小さ子〉と総称している。この種の昔話の内容は,子のない夫婦が神仏に祈って男の子を授かるが,豆つぶのように小さな子でそれ以上に成長しない。…
【小人】より
…【落合 一泰】
[日本]
古来,聖なるものは小さな姿で現れると信じられた。多くの民族がそれぞれ小さな姿をした神,もしくは神意をうつした〈小さ子〉の活躍を語り継いでいる。これについては,かつて小ヘビが偉大な神としてあがめられた動物崇拝のなごり,または小柄な民族への畏怖から生まれたとするなどいくつかの説がある。…
【申し子】より
…昔話にも申し子譚が多くみられ,そこでは,申し子は多くの場合,ヘビ,カエル,タニシその他の信仰動物の形をとってあらわれる。また人の姿で生まれる場合でも,一寸法師,五分次郎などのような〈小さ子〉や,桃太郎,瓜子姫,親指太郎などのように脛,親指,果実などから生まれる〈異常出誕児〉の形をとってあらわれることが多い。これらの昔話に共通する形式としては,第1に,積極的に祈願することによって子どもが授けられることであり,第2は,申し子が普通の人のもちえないすぐれた能力を有し,大事業をなしとげるということ,第3は,幸福な結婚をして,すぐれた家の始祖となることである。…
※「小さ子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」