小万(読み)こまん

朝日日本歴史人物事典 「小万」の解説

小万

生年生没年不詳
戦国時代女性。豊臣秀頼家臣の妻に仕える。主人と男女2子を,幽閉中の城からその夫のもとへ導く途中,賊に襲われ応戦,主人と共に賊10人を切り倒して追い払った。男子を奪われ,主人は重傷を受け死亡するが,女子を救い,父のもとに届けたという。

(真下道子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小万の言及

【源平布引滝】より

…(2)二段目 義朝の弟木曾先生(せんじよう)義賢は,娘待宵と多田蔵人行綱に,帝を離宮から奪い取り源氏再興を計るよう言い含め,懐胎の妻葵御前を,近江の百姓九郎助に託したうえ,平家の討手を引き受け,壮烈な死を遂げる。(3)三段目 九郎助の娘小万は,義賢から源家重代の白旗を預かり,平家方に追われて琵琶湖を泳ぎ,宗盛の御座船に引き上げられるが,平家の侍で源氏に心を寄せる斎藤別当実盛は,白旗が平家に奪われるのを恐れて,小万の片腕を切り落とす。小万は死に,念力通じて白旗は葵御前の手に戻る。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」