世界大百科事典(旧版)内の小学校教則大綱の言及
【歴史教育】より
…起草者の江木千之(かずゆき)によれば綱領原案には神武の東征,保元・平治の役,南北朝の乱,維新の役など戦乱に関する事項が多く,これについて明治天皇が後世子孫が乱を思うおそれがあると指摘し,上述のように訂正されたという。ついで教育勅語発布の翌91年の〈小学校教則大綱〉では〈国体ノ大要ヲ知ラシメテ国民タルノ志操ヲ養フ〉ことが目的とされ,10年前の〈綱領〉にあった〈沿革ノ原因結果ヲ了解セシメ〉ることが削除され,科学的な歴史認識の教育がさらに後退した。内容も,建国の体制,皇統の無窮,歴代天皇の盛業,忠良賢哲の事跡,国民の武勇,文化の由来などがあげられ,大日本帝国憲法と教育勅語の趣旨に沿うように改められた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」