《山門僧伝》(読み)さんもんそうでん

世界大百科事典(旧版)内の《山門僧伝》の言及

【山王霊験記】より

…損傷はなはだしく,詞2段,絵1段を残すのみとなっているが,弘安11年(1288)製作・奉納の奥書があり,絵1段の叡山と争う義綱の軍の場面は生彩に富み,鎌倉期大和絵の温雅な画風を示す。一方,京都蓮華寺旧蔵本2巻,穎川美術館本1巻,延暦寺本1巻はもと一連の作品で,叡山の僧侶を中心とした伝記にあらわれる日吉山王の霊験譚を集めたもので,《山門僧伝》とも呼ばれた。画面上下に形式化した霞(すやり霞)をおき,画風も簡略で稚拙なものとなっており,15世紀室町時代の製作と考えられる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」