世界大百科事典(旧版)内の巴蜀文化の言及
【青銅器時代】より
…青銅器時代の定義は,地域によって違いはあるが,人類史のうえでは,都市と政府組織の成立,畜力を利用した車の出現,文字の発明と国際交易の定着がみられる時代であり,未開から文明への変換点がこの時代であったとみられる。青銅器時代は,もともと利器の材質に基づいた命名ではあるが,今日なお青銅器時代の意義が高く評価されるのは,先史文化を考える分類体系として認められるからである。青銅器時代の用語で示される文化はさまざまであっても,実態がどれほど違うのか比較の議論が可能なのも,青銅器時代が分類体系として存在しているからである。…
【ルリスタン青銅器】より
…なお,ルリスタン青銅器中の銅剣には,関(まち)部に三日月形をつくりつけたものとそうでないものとの二つの系統があり,前者はカスピ海沿岸地方に,後者はザーグロス山麓の高原地帯に認められるが,両者はそれぞれ性格を若干異にすると思われる。 動物形を基調としたいわゆる動物意匠は,黒海北岸を中心とするスキタイ文化や,はるか東方の中国長城地帯に分布するオルドス(綏遠(すいえん))青銅器文化,さらに四川,雲南を中心に広がる巴蜀文化などに認められ,これら相互の間の関連を説く学説もあるが,担い手が同じ遊牧騎馬民族であるとしても,直接的な関係は今のところ認められない。【山本 忠尚】。…
※「巴蜀文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」