布橋灌頂(読み)ぬのはしかんぢょう

世界大百科事典(旧版)内の布橋灌頂の言及

【経帷子】より

…仏式で死者を葬るとき,死装束(しにしようぞく)として着せる浄衣。経衣(きようえ)ともいう。白の麻や木綿,または紙布などでつくる。裏地をつけずにひとえとし,縫い目の糸はとめないでおく。衽(おくみ)や背に〈南無阿弥陀仏〉〈南無妙法蓮華経〉の名号・題目,また真言(陀羅尼(だらに)),種子(しゆじ)(梵字),経文などを書き,朱印を押す。《不空羂索真言経(ふくうけんじやくしんごんきよう)》に,重罪のものもこれを着すれば解脱(げだつ)を得るとあり,死者もこれを身につけると生前の罪が消え,地獄の責め苦をまぬがれ,浄土に往生できるとの信仰が生じた。…

【立山】より

… 芦峅寺の場合は全国的な規模で師檀関係を結び,冬季の檀那回りには,立山権現の護符のほか,立山リンドウ(胃腸薬),湯の草,熊の胆,山人蔘(やまにんじん)など各種の薬を土産としており,それが富山の薬売りの源流をなしたこと,また立山曼荼羅(まんだら)を持ち歩き絵解きを行い,立山地獄のようすや立山権現の霊験を説き聞かせている点は注目される。芦峅系の立山曼荼羅に強調されている姥堂,閻魔堂,そこで行われた布橋灌頂(ぬのはしかんぢよう)の行事は特筆されるべきものである。明治期の神仏分離まで,姥堂には本尊としての姥三尊のほか,全国六十六州を模して66体の姥像が安置され,姥堂は姥石,美女杉,禿(かむろ)杉などといった女人禁制の習俗を示す伝説とは対照的に,女人堂の性格を有し,血の池地獄と対応させながら女人救済信仰が説かれてきた。…

※「布橋灌頂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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