世界大百科事典(旧版)内の平百姓の言及
【名寄帳】より
…1598年(慶長3)の近江国蒲生郡今在家村の事例では,両帳の間で総面積,村高,屋敷数などがほぼ一致しているが,登録人数では名寄帳のそれが著しく少なく,検地帳の半数にすぎない。初期の検地帳には,村内の有力農民である長百姓(おさびやくしよう∥おとなびやくしよう)などとともに弱小で零細な小百姓(こびやくしよう),平百姓(ひらびやくしよう)などが多数登録され,その中には有力農民の血縁小家族や名子(なご),被官,家持下人なども含まれていた。領主による検地に際して,弱小農民は有力農民と並ぶ年貢負担者とされ,検地帳上では高請地(たかうけち)の名請人(なうけにん)として登録されていたが,村内における生産・生活の実態の中では弱小農民は有力農民の庇護下にあった。…
【平民】より
…荘園制下では百姓と呼ばれる者が一般に平民身分に相当する。百姓には名主,平百姓,脇百姓,小百姓などといわれるような諸階層があったが,なかでも平百姓は平民百姓のことであろうと思われる。【戸田 芳実】(2)近世には,平民は武士に対する農工商などの総称として用いられ,明治維新後は皇族,華族,士族とならぶ族称として用いられた。…
※「平百姓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」