世界大百科事典(旧版)内の廃墟趣味の言及
【廃墟】より
…これにともない,宗教思想や科学思想においても自然を神の叡智が具体化したものとする認識が優勢になり,廃墟を含めた森羅万象へのフィールドワーク的な接近が始まった。これらはさらにG.P.パンニーニ,G.B.ピラネージらイタリアの版画家を経て廃墟を美術の主題とする動きを生み,自然と古城などを描くS.ローザの〈ピクチュアレスク〉絵画を通じて,西欧に廃墟趣味が普及した。 こうして18世紀になると,廃墟は人造物というよりもむしろ自然物とみなす感覚が一般的となり,この時期から本格的に製作されだした博物学図鑑の背景にも,木や草とともに廃墟が盛んに描かれた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」