張君房(読み)ちょうくんぼう

世界大百科事典(旧版)内の張君房の言及

【雲笈七籤】より

…中国の書名。宋の張君房編で,120巻。1013年(大中祥符6)宋の真宗の命により張君房が中心となって道教の一切経である道蔵の校定編纂が行われ,19年(天禧3)に《大宋天宮宝蔵》4565巻が完成したが,その際に主要な経典を抄録して編んだもので,一種の道教百科全書。…

【道教】より

… インド伝来の仏教に対して中国固有の宗教を意味する道教の語が,中国の思想史においてその用法を確定し定着させるのは,上述のように5世紀の半ばころ,南朝においては劉宋の時代,北朝においては北魏の時代であるが,その後の中国社会において仏教と競合する二大宗教としての道教が,その教理と儀礼,神学もしくは宗教哲学を一応完成させ,経典論書のたぐいを整備し,教団組織を拡充して,いわゆる唐代道教の黄金時代を迎え,皇帝貴戚以下,官僚政治家,学者知識人,一般民衆に及ぶ広範な層の信奉者,護持者を獲得するにいたることは,この時期の一般歴史書,思想,文学,芸術などの諸文献が具体的に記載しているとおりである。そして11世紀の初め,熱烈な道教の信奉者であった北宋の皇帝真宗の勅撰に成る《雲笈七籤(うんきゆうしちせん)》120巻(実際の編纂責任者は道士の張君房。なお現行の道蔵本《雲笈七籤》は122巻となっているが,これは内容に乱れを生じたための誤り)こそ,このようにして黄金時代を迎えた宗教としての道教のすべてを,その神学教理もしくは思想哲学を主軸として整理し体系化したものであった。…

【道蔵】より

…その数3744巻と伝えるが,安史の乱に散逸した。 宋代に入ると,真宗の命によってまず王欽若が《宝文統録》4359巻を編み,続いて1019年(天禧3)には張君房がその欠を補って《大宋天宮宝蔵》4565巻を完成させた。このとき,張君房がその精華を抄出して編んだ〈小道蔵〉ともいうべき《雲笈七籤(うんきゆうしちせん)》120巻は,宋以前の道教を知るうえで不可欠の書である。…

※「張君房」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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