世界大百科事典(旧版)内の形勢官戸の言及
【官戸】より
… 宋代以降は官吏やその親属の家を官戸と呼び,普通の庶民と区別することが一般的となった。唐代後半から在地の地主や有力者が行政事務の末端を引き受け重要な役割をになうようになり,形勢戸と呼ばれ官戸と併せて官戸形勢戸あるいは形勢官戸として地域社会における支配勢力となった。その範囲は現任の文武官をはじめ,徴税や官物輸送その他の職役を負担する戸や胥吏(しより)にまで及び,彼らは5段階の戸等制で1,2等の上等戸であった。…
【形勢戸】より
…中国の唐末以降,豪族,有力戸を意味する用語としてあらわれ,経済的には大土地所有者。宋に入ってこれら形勢戸の中から科挙に及第して官僚となるものが多くなり,品官形勢の家,形勢官戸などとよばれて支配階層を形成した。南宋中期の規定によると,形勢戸とは品官の家・吏人・職役戸(保正・耆長・戸長など)の3者からなり,税籍上,特に朱書されて通判(州の副知事)の管轄下に置かれ,一般民戸と別扱いをうけた。…
※「形勢官戸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」