忠孝札(読み)ちゅうこうさつ

世界大百科事典(旧版)内の忠孝札の言及

【徳川綱吉】より

…しかし綱吉の権威が強大になるにつれ,幕臣全般の気風は萎縮し,彼の政治的意図を実らせるべき新しい行政機構は成長せず,ことに84年(貞享1)堀田正俊が殺されて後は,牧野成貞柳沢吉保ら側近の寵臣の権勢のみ増大する傾向を生じた。 綱吉は幼少から儒学を愛好し,その精神を施政に反映させることに意欲を燃やし,しばしば幕臣を集めて講義をし,1680年には代官に人民統治の精神を訓令し,82年(天和2)には全国に忠孝奨励の高札〈忠孝札〉を立て,孝子表彰の制度も設けた。〈生類憐みの令〉も聖徳の君主の世には仁慈は鳥獣にまでおよぶという理想世界の実現を意図したものであった。…

※「忠孝札」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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