性典映画(読み)せいてんえいが

世界大百科事典(旧版)内の性典映画の言及

【青春映画】より

… 青春映画という呼称が一般的に使われはじめるのは戦後になってからで,《青い山脈》(1949)をはじめとする〈石坂洋次郎物〉を中心に打ち出された東宝青春映画路線以来のことで,《青い山脈》が当時〈健康な作品〉と評されたように,ここにも〈明朗青春編〉のイメージが受け継がれる。そして戦前の〈あかるい蒲田映画〉,鈴木伝明主演の〈スポーツ映画〉を受け継いで《若大将》シリーズがつくられるといったぐあいに,青春映画はもっぱらその〈明るさ〉を売りものにしてきたが,他方では,小津安二郎監督《青春の夢いづこ》(1932)からドイツ映画《青春》(1941公開)をへて黒沢明監督《わが青春に悔なし》(1946)に至る青春の挫折を描いた〈暗い〉青春映画の流れもあり,また日本最初の〈接吻映画〉として知られる佐々木康監督,大坂志郎,幾野道子主演の《はたちの青春》(1946)の題名にこめられた青春=性の解放のイメージは,1950年代に入って高校生の〈桃色遊戯〉を描いた〈性典映画〉(《十代の性典》1953)や学生の乱行を描いた〈太陽族映画〉(《太陽の季節》1956)をへて青春映画のもう一つのシンボルと化し,フランスの〈ヌーベル・バーグ〉に次ぐ〈松竹ヌーベル・バーグ〉の大島渚監督《青春残酷物語》(1960)に至って,屈折した青春のイメージが〈明朗青春編〉の概念を覆すことになる。さらに70年代には神代辰巳監督の《青春の蹉跌》(1974)で青春=挫折のイメージは極点に達する。…

※「性典映画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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