《愚秘抄》(読み)ぐひしょう

世界大百科事典(旧版)内の《愚秘抄》の言及

【歌論】より

…いずれも美的理念を表す批評語として,中世歌論のキー・ワードとなってゆくが,その意味する内容はかならずしも明確ではなく,また,俊成,定家がその語に託そうとした美的理念からずれたかたちでそれが成長を遂げてゆきもした。《愚秘抄》《三五記(さんごき)》等,いわゆる鵜鷺(うさぎ)系歌論書と呼ばれる定家の名に仮託した偽書にあらわれるそれである。ただ,平安朝時代の美的理念をあらわす批評語であった〈あはれ〉〈たけ高し〉〈をかし〉等と比べると,〈幽玄〉〈有心〉はいちじるしく内面化の傾向を強め,思想性を濃厚にもつ点で中世的理念としての特色をもつのであって,その点を考慮に入れれば,鵜鷺系歌論書に論じられた〈幽玄〉〈有心〉もまた,歌論史の大筋をたどる上で重要な意義をもったのであった。…

※「《愚秘抄》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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