世界大百科事典(旧版)内の戦策の言及
【戦法】より
…陸軍ではこの語に〈兵を使用し戦を作すの方法〉(参謀本部《日本古戦法》1924)というような説明以外,特に定義したものはない。旧日本海軍では,〈敵と離隔して我が兵力を運用する兵術〉を〈戦略〉,〈敵と接触して兵力を運用する兵術〉を〈戦術〉とし,戦術の実施,すなわち戦闘およびその前後において指揮官がとろうとする企図,方策を特に〈戦策〉と称し,〈戦術を実施する制規の方法〉を〈戦法〉と称した(海軍大学校《兵語界説》1907)。例えば,連合艦隊は《連合艦隊戦策》を定め,そのなかで昼戦,薄暮戦,夜戦等の各場面での〈戦法〉を規定し,そこで〈昼戦戦法〉の〈甲戦法〉として〈主敵の戦闘開始後速やかに機を見て全軍突撃を敢行し一挙に敵を撃滅す〉,〈乙戦法〉として〈視界極めて良好なる場合暫く戦艦戦隊は敵の射程外に在りて遠戦を行い敵を牽きつけ一気に全軍突撃を敢行し敵を撃滅す〉(《連合艦隊戦策案》1925)というように,いくつかの戦闘の型をあらかじめ部下指揮官に示し,訓練などの準拠としていた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」