世界大百科事典(旧版)内の戯笑歌の言及
【俳諧歌】より
…《古今集》巻十九に〈誹諧歌〉の部立(ぶだて)があって58首を収めるのが名称の始まりであるが,中国の詩に用いられた用語に由来する。滑稽な歌はすでに《万葉集》巻十六にも戯笑歌,嗤笑歌(ししようか)などがあり,その系統に属する歌である。《古今集》の〈梅の花見にこそ来つれ鶯のひとくひとくと厭(いと)ひしも居る〉は梅の花(女)と鶯(男)とが会っているところへ第三者がやってきたのを鶯が〈人来(ひとく)人来(ひとく)〉と鳴いて厭うという趣向であり,〈山吹の花色衣主(ぬし)や誰問へど答へずくちなしにして〉は山吹色の衣の持主を問うが答えない,クチナシ色(黄色)の口無しなので,と懸詞(かけことば)の興味を骨子としたものである。…
※「戯笑歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」