世界大百科事典(旧版)内の抑止の均衡の言及
【勢力均衡】より
…旧来の〈力〉とはそれが軍事力であれ,経済力であれ,あるいはまた人的資源であれ,領域の防衛ないしは新たな領域の獲得に必要な能力を意味したが,戦後米ソの〈力〉とは敵の抑止がなければ,〈破壊〉にしか意味をもちえないものだからである。勢力均衡はかつては暴力の程度を穏健なものにする働きを有していたが,核時代における抑止の均衡とは絶滅の危機を内在させているのである。しかもこの抑止の均衡では,軍事技術の不断にして突然の革新と核戦争の未経験のゆえに,力の合理的測定をいっそう困難にするのである。…
※「抑止の均衡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」