世界大百科事典(旧版)内の投石器の言及
【回回砲】より
…中国,元朝時代,ペルシア人の技術者によって作られた大型の投石機。当時イスラム文化圏では,投石機の製造技術は世界最高の水準にあり,それを知った世祖フビライ・ハーンがイル・ハーン国より,アラー・アッディーン,イスマーイールなどの著名な技術者を招き製造にあたらせた。数百kgもの石や爆発物をはねとばすこの新兵器は,とくに1274年(咸淳10)の南宋の襄陽,樊城に対する攻城戦で,絶大な威力を発揮した。【原山 煌】…
【城攻め】より
… 1200年前後にとくに発達したのは,飛び道具である。それまでに知られていた人力によって引き絞る大小の弩(いしゆみ)や,ローマ時代にはオナゲルonagerと呼ばれた,固定した腕木をロープで引っ張ってたわめて,その反動で弾を飛ばす投石器だけでなく,天秤状に置かれた腕木の一方に吊るした重い釣合い錘が落下する力によって,反対側にぶら下げた弾を飛ばす新型投石器が現れた。実験によって,10tの錘のついた大型投石器を50人が動かすことで,100~150kgの石弾を150mあまり飛ばせることが確認されているが,この威力によって城門や城壁を打ち破ったのである。…
【武器】より
…戦闘に用いられる器具のうち,攻撃用のもの,およびその補助となるものをいう。防御用のものは武具と呼び,区別されるが,両者をふくめて武器と称することも多い。歴史的にみると,武器は三~四つの段階を経て発展してきた。最も初期の段階では,武器は石や動物の骨,木でつくられた。そこに金属器が登場する。青銅製,とくに鉄製武器の使用によって,殺傷力,耐久性は飛躍的に向上した。そのつぎの段階は,火薬の発明によってもたらされた。…
※「投石器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」