持道具(読み)もちどうぐ

世界大百科事典(旧版)内の持道具の言及

【小道具】より

…小道具は,大道具,衣装(舞台衣装),(かつら)などとともに,舞台美術を構成する裏方の一ジャンルで,ドラマの求めに応じて,演出家,舞台美術家の指示と演技者の構想を中心に,演目と登場人物の役柄や性格に相応して調達し,製作することを任務としている。小道具は〈出道具(置道具)〉と〈持物(もちもの)(持道具)〉に大別される。〈出道具〉は,大道具がセットされた舞台やスタジオの空間内に,装置の一部として幕が開く前から置かれる家具,置物,掛軸,几帳(きちよう),屛風,火鉢……などをいい,〈持物〉は,時代物では矢立,莨入(たばこいれ),印籠,扇,中啓や草鞋(わらじ),草履,下駄など,現代劇では指輪,イアリング,ペンダント,時計,財布……などをいう。…

【舞台衣裳(舞台衣装)】より

…そして日本の伝統芸能や古代ギリシア劇以来,現在まで用いられている〈仮面〉がある。また,〈かつら(鬘),ひげ〉(これはかつら屋が担当する)や,帽子,笠,冠等また頭巾(ずきん)や鉢巻などの〈冠物(かぶりもの)〉,靴,草履,スリッパ等の〈履物(はきもの)〉,また〈装飾品(アクセサリー)〉があり,さらには眼鏡,刀剣,傘,扇子等の〈持(もち)道具〉,日本また西洋の〈甲冑(かつちゆう)〉,裸体の肥満型や動物などの〈縫いぐるみ〉,襦袢(じゆばん),褌(ふんどし),腰巻,ペチコート等で観客に見せる場合の〈下着〉,体格の欠点を補い,また肥満体や老人に扮するなど特殊な体型を形作るための〈着肉(きにく)〉,片手片脚が切断された体型を作るための仕掛や宙吊り用の装置などの〈下拵(したごしら)え〉,頭巾,手拭(てふき),ゲートル,足袋,前掛等の〈小裂(こぎれ)〉といったものがある。これでまず,衣裳のさししめすものの範囲がかなり明確になったと思う。…

※「持道具」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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