指物(旗)(読み)さしもの

世界大百科事典(旧版)内の指物(旗)の言及

【纏】より

…戦場での集団中に目につきやすい標具として,16世紀になって盛んに用いられた纏は幟(のぼり)の大型なもので,《大坂軍記》にも〈大纏は朱の大四半,大幅掛に白き葵(あおい)の丸なり〉とか〈井桁(いげた)の紋の茜(あかね)の四半のまとひ〉と見えている。しかし他と紛れぬように,幟のほかにも作り物を用い,ときには当世具足の背に着けた指物(さしもの)を纏としたので,《甲陽軍鑑》には〈北条家の大道寺九ッ挑灯(ちようちん)のさし物をそえにしてもたする,是によってまとひは北条家よりはじまる〉と伝えている(旗指物)。また竿の先端に趣向をこらした作り物を施し,さらに馬簾(ばれん)といって輪形に切裂(きつさき)を長くたらしたのを加え,これを馬脇の標識とした馬印を纏と呼ぶようになった。…

※「指物(旗)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」