世界大百科事典(旧版)内の摩擦杭の言及
【基礎】より
…フーチング部分は直接基礎の場合の独立フーチング基礎,連続フーチング基礎,複合フーチング基礎やべた基礎あるいははりの形をとる。荷重に対する抵抗機構からは,主として杭先端の硬い地層で鉛直荷重を支持する支持杭,主として杭の周辺に働く土との摩擦力により鉛直荷重を支持する摩擦杭,水平力や引抜きに抵抗するための杭などに分けられ,また施工方法からは工場で製作した既製杭を杭打機で地盤中に打ち込む打込杭,地中に穴をあけて既製杭を埋め込んだり,中空杭をその内部の土を掘り出しながら地中に押し込み,最後に打撃を加えるかセメントミルクなどで根固めをした埋込杭,地中にあけた穴にコンクリートを打設することにより現場でつくられる場所打ちコンクリート杭に分類される。なお,軟弱な厚い地層を貫いて支持杭をつくった場合,軟弱地層が埋立土などのために圧密沈下すると(地下水のくみ上げでも起こる),土が杭に対して相対的に下がる現象を起こし,支持する方向とは逆方向の摩擦力(負の摩擦力と呼ぶ)が生ずるので,これに対して杭にアスファルト性の滑り剤を塗布して摩擦力の低減をはかったりする。…
【杭】より
…目印や支柱の長い棒,あるいは木の切株という意味もあるが,土木や建築など工学の分野では,地中に鉛直あるいは斜めに打ち込み,上部構造物を支えたり,あるいはこれに加わる鉛直もしくは水平方向の力に抵抗する基礎工事用の構造部材をいう。杭の支持機構からは,杭先が岩盤などの十分な支持力のある支持層まで達していて,杭の支えている荷重の大部分が杭先から支持層に伝達される支持杭と,杭先が支持層まで達しておらず,杭とその周りの摩擦によって荷重を周辺の地盤に伝達する摩擦杭に大別されるが,実際の杭はこの両方の性質を兼ね備えたものが多い。杭の支持力は地盤の良否,杭の寸法,打込み時の貫入量などで推定するが,載荷試験で定めるのが確実である。…
※「摩擦杭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」