摺経(読み)すりきょう

世界大百科事典(旧版)内の摺経の言及

【寺院版】より

…寺院において僧の手により,非営利的に開版(板)された書物の総称。日本では平安時代,写経供養に代わってはじめて摺経(すりきよう)供養(経典を印刷することで供養を行う)が行われたが,いずれも死者の冥福(めいふく)を祈り,罪業障滅をねがうためのものが多かった。 奈良の興福寺を中心とした春日(かすが)版,鎌倉初期以来高野山において開版された高野版,醍醐(だいご)寺で開版された醍醐寺版,比叡山で開版された叡山版,京都の知恩院を中心とした浄土教版,奈良の諸大寺(東大寺,西大寺ほか)による奈良版,さらに鎌倉時代から南北朝(14世紀)を経て,室町時代末期(16世紀)にいたる,京都の五山を中心として開版された五山版など,とくに寺院版として著名である。…

【本】より

…一方,経文印刷は1009年(寛弘6)藤原道長が中宮安産の祈願に〈法華経〉1000部を印刷したこと(《御堂関白記》)に始まる。薄紙に薄墨刷りした摺経(すりきよう)である。僧侶は研学のため経文を必須としており,興福寺では財を募り《成唯識論(じようゆいしきろん)》10巻を1088年(寛治2)に印刷したが,これは良紙,能書,濃墨で優秀である。…

※「摺経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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