政論新聞(読み)せいろんしんぶん

世界大百科事典(旧版)内の政論新聞の言及

【大新聞・小新聞】より

…読者層でも両者の識別は鮮明で,〈日々新聞ノ如キ紙幅大ニシテ,且ツ勿論其議論高尚ナルヲ以テ,中等以上ノ人民之レヲ読ミ,又夫ノ仮名付小新聞ノ如キハ,平均セバ下等社会ノ読ム所ナルベケレ〉(《東京日日新聞》1878年2月13日)といわれるように,大新聞は中・上流社会に,小新聞は下流社会に,主として読まれていた。 大新聞は政論新聞ともいわれた。大新聞の興隆期が自由民権期であったため,大新聞には政治論議を中心とした社説,コラム,投書が目だっていた。…

【新聞】より


[論評機能]
 第1に読者に社会的目標を提示し,その目標への行動を指示する方向づけと,第2に社会的合意をつくり出すために読者に多様な意見の交換の場を提供することが含まれる。欧米でも日本でも,初期の新聞はこの機能を重視したが,19世紀末から20世紀初頭にかけて新聞が大衆性を強め,同時に営利性を重視するにつれて,高級紙を除き新聞はほとんど政論新聞または意見新聞opinion paper,views paperから報道新聞へと変わった。大多数の読者の間に異なった意見が存在するとき,ある特定の意見を強く押し出すことは営業上得策ではないし,加えて日本では政府・軍部による言論への弾圧が強かったため,新聞経営者たちが〈不偏不党〉〈公正中立〉を記者たちに強く要求したことも,新聞の論評機能を弱めることにつながった。…

【政論】より

…政治思想普及の方法として新聞とならんで演説が行われたが,演説をとおして語ることを含みとしている〈政談〉に対し,政論は印刷物をとおして論ずることに力点が置かれていた。したがって,一方の政談演説に対し,政論新聞が成立した。それは,新聞自体の種別でいえば,論説を掲げない社会面中心の小(こ)新聞に対する,大(おお)新聞であった(大新聞・小新聞)。…

【朝野新聞】より

…明治前期に東京で発行された有力な政論新聞。1874年(明治7),《公文(こうぶん)通誌》(1872創刊)を改題して創刊され,93年に廃刊した。…

※「政論新聞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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