世界大百科事典(旧版)内の救出オペラの言及
【オペラ】より
…ウィーンの場末の劇場で上演されたモーツァルト晩年の名作《魔笛》は,その一例である。この種のオペラは,素朴なセンチメント,見世物的興味,悪の世界と善の世界の対立といったモティーフを共通の要素として,一方ではケルビーニの《二日間》からベートーベンの《フィデリオ》へつながるサスペンスに満ちた〈救出オペラ〉へと発展し,他方ではウェーバーの《魔弾の射手》に典型的な例を見る国民的なタイプのロマン派オペラへとつながっていった。
[19世紀――ワーグナーとベルディ]
19世紀のオペラが,大がかりな舞台効果を特色とした〈グランド・オペラ〉の方向へと発展していったことは,前述した通りである。…
【グレトリー】より
…68年からパリに定住し,オペラ・コミックの作曲家として活躍した。代表作《獅子心王リシャールRichard Cœur de Lion》(1784)は,〈救出オペラrescue opera〉(フランス革命前後に民衆から愛好された)の先駆けとなった。彼はディドロ,グリムと親交があり,彼ら百科全書派の主張を舞台の上で具現してみせたといわれる。…
※「救出オペラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」