教区簿冊(読み)きょうくぼさつ

世界大百科事典(旧版)内の教区簿冊の言及

【教区】より

…アングロ・サクソン人が異教徒であった古代の村落共同体の集会は,中世の教区の教区総会に転換されていき,近世以降,教会組織である教区が,地方行政の最小単位として利用されることとなった。例えば,ヘンリー8世は,出生(聖洗式),結婚(聖婚式),死亡(葬送式)を教区簿冊parish registerに記録させ,戸籍関係の業務を教区に行わせたし,エリザベス1世は,救貧法の施行に当たって,教会委員を役職上救貧法の定める民生委員に任命するように命じ,社会政策の担当者として教区を利用したのである。このようなことが可能であったのは,英国国教会が国教会であって,教会と国家とが組織的に一致していたからである。…

【歴史人口学】より

…第2次世界大戦後,フランスとイギリスを中心に急速な発展を遂げ,その後,アメリカ,ドイツ,日本などでも,着実な成果を挙げつつある。 近代的な人口統計が整備されるようになるのはヨーロッパでも19世紀に入ってからであるが,歴史人口学は,前統計時代についても,〈教区簿冊parish register〉を基本史料として用いることにより,精度の高い人口動態の分析を行うことに成功した。教区簿冊とは,教区の司祭が,教区民の洗礼,婚姻,埋葬を日を追って記載した古記録であり,今日の戸籍簿の前身ともいうべきものである。…

※「教区簿冊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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