世界大百科事典(旧版)内の散卓の言及
【筆】より
…唐代には初唐の三大家(欧陽詢,虞世南,褚遂良(ちよすいりよう))をはじめ多くの書家が現れ,それぞれの好みにあった筆を用いたと思われるが,大勢としては漢代以来の有心筆が多く用いられたとみられる。ただ盛唐の李陽冰の《筆法訣》には〈散卓〉すなわち無心筆の語があり,無心筆はこのころから五代にかけて増加の趨勢をたどった。そして宋代になると,熙寧(1068‐77)の後,〈世始めて散卓筆を用い其の風一変す〉(《避書録話》)というように,有心筆から無心筆へ,剛毛から柔毛へと大きく移行していったと考えられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」