世界大百科事典(旧版)内の新トミズムの言及
【トミズム】より
… 18,19世紀にかけて多くの注解書やトマスの基本的立場にもとづくと称する教科書が現れたが,それらはデカルト,ロック,C.ウォルフなどの影響を受けた折衷的内容の著作であり,トマス自身の学説に忠実であろうとする努力は見られなかった。これに対して19世紀中ごろからまずイタリア,ついでドイツにおいて〈トマス自身に帰れ〉という声が起こり,トマスおよび他のスコラ学者の真正の学説を再発見することを通じて,当時のヨーロッパの知的・社会的危機に対応しようとする哲学運動(新トミズム,新スコラ主義)が勢力を得た。この運動に対して強力な支持を与えたのは教皇レオ13世の回勅〈エテルニ・パトリス〉であり,彼とその後継者たちによってトマスの学説には教会内部で特別の権威が付与された。…
※「新トミズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」