日清戦後恐慌(読み)にっしんせんごきょうこう

世界大百科事典(旧版)内の日清戦後恐慌の言及

【恐慌】より

…だが,この恐慌期における糸価の低落は紡績会社に新技術(リング精紡機)の導入を促す契機となり,そのことによって日本紡績業は輸入綿糸との角逐をとおして国内市場を制覇する方向を決定づけられたのであり,その意味で,この恐慌は日本資本主義確立のための必要な通過点であった。
[日清戦後恐慌]
 1890年恐慌後の不況は93年下期から回復するが,日清戦争によってその動きは中断される。この戦争の勝利によって日本は巨額の賠償金と中国への経済的進出のための諸権益を手に入れ,それらを基礎に95年下期以降の好況局面を通じて日本資本主義は綿糸紡績業を基軸に確立期を迎える。…

※「日清戦後恐慌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」