旧里帰農奨励令(読み)きゅうりきのうしょうれいれい

世界大百科事典(旧版)内の旧里帰農奨励令の言及

【寛政改革】より

…具体的には,農業人口の回復増加と耕地面積の復旧拡大をめざした。そのため,夫食(ぶじき),農具代の恩貸とその返済猶予令,他国への出稼ぎ制限令,江戸に流入した農民に対する旧里帰農奨励令などを発した。また飢饉対策として備荒貯穀を奨励し,村々に籾蔵を設置した。…

【手余地】より

…これは必然的に手余地=荒地の増加となり,領主財政窮迫の因となり,同時に博徒,無宿(むしゆく)者,都市細民を生み出して社会不安の一因になった。寛政改革ではこれへの対策が重要課題となり,水呑,小作人,奉公人などに農具代,夫食(ぶじき)を与えて手余地=荒地を開発させ,1790年(寛政2),91年,93年と続けて旧里帰農奨励令を公布し,帰村費や田畑購入費まで支給した。さらに93年,関東代官に長文の〈申諭〉を令達し,荒地起返(おこしかえし)の場所は元の租率に引き上げるように指示し,その意味を説明して,地主取分を制限して貧民一統を救済するものだとし,手余地の解消と本百姓経営の再建によって貢租収入の確保をねらった。…

【人返し】より

…(1)日本の中世後期,在地領主層や戦国大名のとった欠落(かけおち)者の連れ戻し策。中世後期の社会を通じて広く現れた武家奉公人,百姓,下人などの欠落は,在地領主や土豪の支配や経営の基盤を不安定にしたばかりでなく,逃亡した領民の他領からの連れ戻し問題は,在地領主や土豪相互間の深刻な対立を引き起こす原因ともなった。そのため,室町期の在地領主層は互いに欠落者の拘束と相互返還,つまり人返しを主要な課題として個別に協定を交わしたり,より広く組織的に一揆の契約を結んだりした。…

※「旧里帰農奨励令」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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