世界大百科事典(旧版)内の《曖昧の七つの型》の言及
【エンプソン】より
…しかし,文学界に詩よりも大きな影響を与えたのは彼の批評的方法だろう。 ケンブリッジ在学中に書かれた《曖昧(あいまい)の七つの型》(1930)では,文学作品中にある一つの単語,表現のなかに二つ以上の意味を読みとった場合,それをいずれか一方を正しいものとして他を切り捨ててしまわず,その重層的な意味こそ作品の本質であると主張した。こうした意味の重層性,〈曖昧さ〉に積極的な価値を見いだす立場は,文学作品を平板な読み方から救い,言語のきめや文飾に繊細,精緻な視点をめぐらせることになり,また,作者の意図よりも,作品そのもの,読者の読み方に優位をおくことになった。…
※「《曖昧の七つの型》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」