書札様文書(読み)しょさつようもんじょ

世界大百科事典(旧版)内の書札様文書の言及

【古文書】より

…しかし公家様,武家様というのは発給者別の分類で,厳密には様式分類とはいいがたい。そこで(6)政治文書を公式様文書,平安時代以来の公文書,書札様文書,印判状とする分類法があり,これが既往の分類法としてはもっとも妥当なものと考えられる。そしてこれとほぼ同じであるが,ここでは(7)政治文書を公式様文書,令外(りようげ)様文書,書札様文書とし,非政治的文書を上申文書,証文類というように分類したい。…

【書札礼】より

…古文書学上の用語。書札および書札様文書を作成するに際して守らなければならない儀礼(書礼)と故実をいい,またそのことについて述べた書物も書札礼と呼んでいる。公式様(くしきよう)文書の状・啓あるいは中国の尺牘(せきとく)に起源を有する書札は,平安時代中・末期から漸次広く行われるようになり,それとともに綸旨(りんじ),院宣,御教書(みぎようしよ)といった書札様文書も成立をみる。…

【奉書】より

…上の者の意を奉(うけたまわ)って伝える文書の意で,書状の特殊様式。現在の封書の源流である書札様(しよさつよう)文書は,中国の隋・唐代の啓や状という私信から日本風に発展を遂げたもので,その様式は,はじめに要件等の本文,本文の終わる次行に日付,日付の下に差出書,日付の次行上段に充名書という構成を基本にしている。10世紀以前の日本は,仮名消息を別として,私信にまだ中国の書儀に従った啓や状を用いた時代であるが,9~10世紀にその形が前述のような形(啓の一形式)に定着するようになり,文体も10世紀には純漢文体から〈侍(はべる)〉〈給(たまう)〉〈候(そうろう)〉を交える和風漢文体となり,さらに11世紀ごろに書止(かきどめ)文言が,〈恐々謹言〉等に規格化され,日本の書札様文書が完成される。…

※「書札様文書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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