書物工芸(読み)しょもつこうげい

世界大百科事典(旧版)内の書物工芸の言及

【本】より

…1926年までに出土したオクシュリュンコス全写本を調べると,3世紀以前にはコデックス(冊子本)はまったく現れていないのに,4世紀になると,異教文学のパピルス巻物はずっと減り,キリスト教の著書が大多数を占め,その総数36のうち2点を除いて他はみな冊子本である。このように,異教に対するキリスト教の勝利は,書物の世界においては,パピルスと皮紙とを問わず,巻物形式に対する冊子本形式の勝利となり,やがて皮紙が書物の主要な材料となってからは,ルネサンスに至るまでのおよそ1000年間,書物工芸の黄金時代をもたらした。 冊子本作製の順序を略述すると,まず十分にみがかれた1枚の皮紙を写字机の傾斜面に置き,定規をあてて鉛でうすく線を引き,頭文字の部分を残し,他の本文を入念に書きすすめる。…

※「書物工芸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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