曾我十郎(読み)そがじゅうろう

世界大百科事典(旧版)内の曾我十郎の言及

【曾我兄弟】より

…鎌倉時代の初期の武士。兄を曾我十郎祐成(すけなり)(幼名一万,1172‐93),弟を五郎時致(ときむね)(幼名箱(筥)王,1174‐93)という。平将門の乱のときの常陸国司藤原惟幾の子孫を称する工藤氏の人。…

【曾我物語】より

…伝本に真字本(10巻)と仮名本(10巻,または12巻)とがある。1193年(建久4)5月28日夜,曾我十郎祐成(すけなり)・同五郎時致(ときむね)兄弟が父の敵工藤祐経(すけつね)を討ち取った事件を中心に構成された物語で,この仇討の原因となった伊東家同族間の所領争い,祐経による兄弟の父河津三郎の暗殺,母の曾我氏への再嫁などから物語が始められる。次いで兄弟の生い立ちや貧困に耐えながら助け合い励まし合って敵をねらうさまが描かれ,ついに復讐をとげる。…

【仁田忠常】より

…鎌倉初期の武士。新田とも書く。伊豆国の住人。源頼朝の伊豆挙兵以来,これに従って頼朝の信任を得る。1203年の北条時政と将軍源頼家の外戚比企能員(よしかず)の対立に際して,忠常は時政にくみしたが,時政による比企氏謀殺を憤った頼家は,和田義盛と忠常に時政追討を命じた。義盛はこれに応じず,時政に内通したが,忠常はあいまいな態度を示したため,疑われて時政に滅ぼされた。【細川 涼一】
[伝承]
 《曾我物語》巻八〈富士野の狩場への事〉によって,頼朝の面前で猪に逆さまに乗ってしとめたという忠常の勇猛ぶりは知られているが,この猪は実は山神であり,そのたたりで忠常はいくほどもなく謀反の疑いをかけられ,討たれたとある。…

※「曾我十郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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