世界大百科事典(旧版)内の《月と6ペンス》の言及
【モーム】より
…1907年《フレデリック夫人》がロンドンで上演され大成功を収め,一躍流行の劇作家となった。彼の文筆生活は長いが,大作家として名声が定まったのは,第1次大戦中に執筆した半自伝的小説《人間の絆》(1915)が,次作のゴーギャンをモデルにしたといわれる作品,つまり中年の株式仲買人が突如画家を志し妻子を捨ててタヒチに赴く話を平凡人の私が語る《月と6ペンス》(1919)の大成功にともなって見直されてからである。以来,小説家としては,中国を舞台にした《五彩のベール》(1925),《お菓子とビール》(1930),《片隅の人生》(1932),《劇場》(1937),宗教的な人間と俗人の対立を描いた《剃刀の刃》(1944)などの長編のほかに,〈雨〉〈赤毛〉などの傑作を含む短編集《葉のそよぎ》(1921)の大成功以来,百数十編の短編を発表している。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」