世界大百科事典(旧版)内の月の錯覚の言及
【錯視】より
…これらの錯視は刺激対象が特別の形状や配置にあるとき,実際とは違った形や大きさ,性質のものに見えてしまう現象であって,だれにでもほぼ等しく起こりうるものである。
[生理的錯視]
(1)〈月の錯覚〉といわれるものは,月や太陽が地平線に近いときは中天にあるときよりも大きく見える現象であり,観察者の身体に対する方向関係から生じるもの,すなわち,身体の前方にあるものは見上げる方向にあるものより大きく見えると説明されている。(2)明るさ,色の対比などに関しては,白,黄,緑のものは黒,赤,青のものより大きく見え(〈放散による錯視〉),色の色調や明るさは類似色が近くにあるときはいっそう似た色調や明るさに見え(〈同化による錯視〉),補色が近くにあるときはより際立って見える(〈対比による錯視〉)。…
※「月の錯覚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」