世界大百科事典(旧版)内の月暦の言及
【時禱書】より
…しかし時禱書の最初の黄金時代を築いたのは《ベリー公のいとも豪華なる時禱書》(15世紀初め)を描いたランブール兄弟で,彼らは初めてカレンダー・ページに貴人や農民の生活を季節感のあふれる自然の中に描写した。その後この月暦表現の伝統は,15世紀末から16世紀前半にかけてブリュージュで国際的な写本工房活動を行ったアレクサンダー,S.ベニングやホーレンバウトらに継承された(事実,このベリー公の写本は,16世紀前半ネーデルラント総督マルガレータの時代に,一時メヘレンの宮廷で所蔵され,フランドルの写本制作に影響を与えたと思われる)。そのほか15世紀において絵画史的に高い評価を受けた時禱書としてJ.フーケの《エティエンヌ・シュバリエの時禱書》,無名作家の《ブシコ元帥の時禱書》《ロアンの時禱書》《マリー・ド・ブルゴーニュの時禱書》などがあげられる。…
※「月暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」