世界大百科事典(旧版)内の有機農法の言及
【農学】より
…国内における食糧自給論,国内農業再認識論,省エネルギー農業論が台頭するとともに,過去10年余忘却されていた耕地とくに水田地力への関心が高まり始めた。一方,これまでの農業生産体制の大きな変革に対して,無機質肥料,農薬を排除していこうとする,いわゆる有機農法の台頭がみられ,かつて農産製造といわれた分野は微生物化学,生理活性物質研究,生命科学,バイオテクノロジーへと発展し,さらに〈医農同源論〉の出現をみるに至った。かつての農学の各分野は種々の方面に発達するとともに,学際分野の研究も興った。…
【有機農業】より
…さらに,土壌の物理耐性,化学的・生物的条件の劣悪化による地力の減退,低下が進行した。このような化学農法による〈近代化〉農業は,やがて人間生存の危機に及ぶという深刻な反省を踏まえ,農薬,化学肥料をまったく使わないか,あるいは極力その使用を抑えて,堆厩肥など有機物の投入による土づくりを重視し,土壌生態系の保持と安全で健康な食糧の生産とをめざす有機農法が提唱されるようになった。有機農法とは,この言葉を創始した日本有機農業研究会によれば,〈環境破壊を伴わず,地力を維持培養しつつ,健康で味のよい食物を生産する農法〉であり,こうした農法で営まれる農業が有機農業である。…
※「有機農法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」