世界大百科事典(旧版)内の木ろうそくの言及
【ろうそく(蠟燭)】より
…〈松やにろうそく〉にはモロコシなどを入れて燭心とするものと,まったくこれをしないものとがあり,普通には燭心を入れずに作ったから,〈松やにろうそく〉は技術的には最も原初的なろうそくと称すべきものであった。 室町時代に入ると義堂の《空華日用工夫略集》や《太平記》などにろうそくの記事が見えているから,ろうそくは明代に入るとともに再び中国から輸入されたようであるが,当時のろうそくが〈蜜ろうそく〉であったか〈木ろうそく〉であったか明らかでない。《太閤記》に見える1594年(文禄3)泉州堺の菜屋助左衛門が呂尊(るそん)から帰ってろうそく1000丁を貢献したという話にことよせて,《本朝世事談綺》は〈文禄年中までは,日本に蠟燭なし,助左衛門が献ずるろうそくに傚(なら)ってこれを製す,蠟を採もの凡(およそ)五種あり,漆樹(うるしのき),荏桐(えぎり),榛(はり),ダマノ木,烏臼木(うきゆうもく),また女貞木(いぼたのき)よりも取ると本草にあり〉といっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」