世界大百科事典(旧版)内の末備前の言及
【長船物】より
…室町初期の長船物は応永備前の呼称があり,その代表工に盛光,康光がいる。以後の備前物を末備前と呼び,忠光,勝光,宗光,祐定,清光などが著名である。これらの刀工には同銘の者がそれぞれ多くいて,集団による工房生産が考えられ,《蔭涼軒日録》には〈勝光宗光一党,自備前上洛,凡六十員〉とみえ,祐定も俗名を記した作は60余工を数える。…
【備前物】より
…そのほか吉井の地に吉井派が生まれ,景則,真則らが小互の目乱の連れて揃った特色ある作風を展開した。室町時代には長船派が引き続き栄え,室町初期のものを応永備前,末期のものを末備前といい,前者の代表工には盛光,康光が,後者には忠光,勝光,祐定らがいる。この期の作風は初期は腰の開いた互の目が主体となり,丁子が交じり,後期には復式互の目という華やかで複雑な刃文が焼かれるようになった。…
※「末備前」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」