世界大百科事典(旧版)内の本公験の言及
【公験】より
…荘園の場合には,治田・墾田の公認を申請した売主・譲主の解状(げじよう)に,国司,郡司が公判を加える形式をとったが,平安京内では,売主の辞状にもとづいた条令の売買公認を申請した解状に,京職が証判を加える形式をとった。所領等の領有権の根拠となる文書として,根本公験あるいは本公験と称され,訴訟等においては〈田畠領掌の道公験之証拠によるべきなり〉とされた。所領等の相続や売買・寄進に際してはこれらの文書を添付しなければならず,また紛失のときには公証を加えた官司に紛失証判を申請し,亡失した権利の再交付のために公験紛失状を作成した。…
【売券】より
…それを具体的に立証するために,その対象物が売主の所有に至るまでの,過去の売券や譲状(ゆずりじよう)などの証文を一巻の巻物として,売券に添えて買主に渡すことが,売買における必須の手続であった。この巻物を当時〈手継証文(てつぎしようもん)〉〈本公験(ほんくげん)〉などと称した。中世では火事・盗難・戦乱などにより,手継証文などがしばしば紛失したので,売主はその事情を明記した文書を作り,これに在地の役人や有力者の証判を受けた。…
※「本公験」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」