世界大百科事典(旧版)内の杉焼きの言及
【カキ(牡蠣)】より
…礒蠣は〈アラカキ〉と読まれているが,礒を冠していることから,あるいは殻付きの生ガキだったかも知れない。近世前期には,吸物,酢ガキ,串焼き,殻焼き,杉焼きなどがよく行われた料理で,産地としては三河,尾張,伊勢,江戸などが知られていた。後期になると,〈畿内に食する物,皆芸州広島の産なり,尤名品とす〉(《日本山海名産図会》)といわれるほど,広島の養殖カキの声価は高まっていた。…
【カモ(鴨)】より
…カモ目カモ科カモ亜科Anatinaeに属する約120種の鳥の総称。極地を除く全世界に分布する。くちばしは幅広く扁平で,先端にかぎ状の突起があり,縁にはぎざぎざの板歯が列生している。脚は短く,前3本のあしゆびは水かきでつながっている。カモ類でも何々ガンという名をもつ鳥もいるが,外観上他のカモ科の鳥と異なる点は,一般に体が小型であること,他はほとんど雌雄同色であるが,カモ類は雌雄異色のものが多いことなどである。…
【焼物】より
…ぬかご焼きは〈零余子焼〉と書いたが,ヤマノイモにつく珠芽のぬかご(むかご)を焼くのではなく,コイの皮つきの身を大きなぬかごほどに切って串にさし,醬(ひしお)をつけて焼くものだったらしい。江戸時代になると焼物の種類も多くなってくるが,貞享・元禄(1684‐1704)ころもてはやされた料理の一つに杉焼きがある。杉箱の中にみそを濃く溶いて煮立て,そこへタイ,カモなどの魚鳥や野菜を入れて煮るもので,杉箱の底にはのり(糊)で塩を厚く塗りつけて焼けないようにした。…
※「杉焼き」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」