世界大百科事典(旧版)内の杯状体の言及
【ゼニゴケ】より
…葉状体の内部構造は複雑で同化組織には気室という間隙(かんげき)があり,気室は気室孔という穴を通じて外界と連絡し,気室の中には緑色の細胞が不規則に配列している。背面の中央部に杯状の無性芽器(杯状体という)を生じ,その中に多数の扁平な鼓形の無性芽ができる。雌雄異株で,雌株には雌器托,雄株には雄器托という生殖器をつける枝を生じるが,この枝は葉状体の一部が変形して直立したものである。…
【無性芽】より
…母体の栄養器官上に生じ,母体に似ていない特定の形に発達したのちに自然に脱落し,発芽して新個体を形成する。ゼニゴケでは葉状体の表面に存在する杯状の構造(杯状体cupule)の底部の表皮細胞から次々と多細胞で鼓形の無性芽を生じ,それらが母体から離れ,雨水に流されて広く散布し,それぞれが発芽して新個体となる。無性芽はゼニゴケに限らずコケ植物に広くみられ,粉状,糸状,円盤状,こん棒状など,その形態はさまざまである。…
※「杯状体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」