世界大百科事典(旧版)内の東亜金融圏構想の言及
【円ブロック】より
…また満州や華北でも,日本の外貨資金不足のためのブロック内への輸出統制,資源の一方的略奪などの結果としての通貨の濫発が進み,インフレーションが急激に高進した。太平洋戦争への突入とともに,この円ブロックは〈東亜金融圏構想〉へと拡大し,円決済協定の締結による現地通貨の調達(タイおよびフランス領インドシナ),南方開発金庫設立(1942)による現地通貨表示での開発券の発行(1943),特別円勘定の設定などが行われた。しかし“点と線”(都市と鉄道沿線)のみの支配にとどまった日本側は,資源,軍費の調達をほとんどなしえず,通貨のいたずらな濫発のみが進行した。…
※「東亜金融圏構想」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」