世界大百科事典(旧版)内の東京婦人矯風会の言及
【巌本善治】より
…同誌は北村透谷,島崎藤村らの《文学界》創刊(1893)の契機を用意するなど,明治文学史上でも注目される。廃娼運動などで知られる日本基督教婦人矯風会の前身,東京婦人矯風会結成(1886)の積極的な援助者でもあった。87年から明治女学校の経営に乗り出し,明治・大正・昭和期に活躍する多くの進歩的女性を育てている。…
【女性運動】より
… 売春禁止の要求は,1869年の津田真道による公娼廃止の建議が端緒となり,マリア・ルース号事件を契機に政府もこの問題をとり上げたが,廃娼運動の担い手は,キリスト教徒であった。アメリカ合衆国の女性運動に刺激され,86年に矢島楫子は〈東京婦人矯風会〉を結成し,平和,純潔,禁酒を目標にかかげ,姦通は男女双方を処罪すべきことを主張し,売春に反対し,一夫一婦制の強化を求めてねばり強い運動を進めた。 廃娼運動を支えた前近代的家族への批判,男女の人格的平等の思想は,恋愛の賛美,女性の自我の覚醒の主張へとつながっていく。…
【婦人会】より
…また85年ごろから,慈善,教育,風俗改良などを目的とした婦人会がつくられている。86年にはキリスト教系の東京婦人矯風会が結成され,93年にはキリスト教系の婦人団体の全国組織である日本基督教婦人矯風会(婦人矯風会)が誕生した。また1901年,北清事変をきっかけに兵士の慰問,遺族の救護を目的とした愛国婦人会が奥村五百子の主唱によって組織された。…
※「東京婦人矯風会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」