東洋趣味(読み)とうようしゅみ

世界大百科事典(旧版)内の東洋趣味の言及

【エキゾティシズム】より

… エキゾティシズムはこのように人間の心性に根ざしたものであるため,古代から折にふれて発生した形跡があり,それが伝承や美術工芸などにうかがわれるが,同時にそうした異国への情緒的関心が,単なる趣味にとどまらずにその時代の美意識に新たな展開をもたらした例も多い。西欧近代においては,17,18世紀にトルコとの接触によって始まった東洋趣味(オリエンタリズム)が,やがて19世紀における絵画や文学の異国趣味をもたらし,強烈な光線と色彩,率直な人情風俗へのあこがれなどがロマン主義的美学の端的なあらわれとなった。サン・ピエールやシャトーブリアンの文学,ドラクロアの絵画などにはこうした傾向がうかがわれ,ゴーギャンにいたってはタヒチの風土に人間の生命観の根源を求めた。…

※「東洋趣味」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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