松本楼(読み)まつもとろう

知恵蔵mini 「松本楼」の解説

松本楼

東京都千代田区の日比谷公園内にあるレストラン。1903年、日比谷公園の開園と同時に開業。当時としては珍しい洋食を出すハイカラな店として人気を集める。その後、関東大震災による消失、太平洋戦争後の米軍による接収など相次ぐ苦難を乗り越えて再興。71年には沖縄返還闘争で日比谷公園に集結した過激派の放火により2度目の焼失に見舞われるも、全国からの励ましに応えて73年に再オープンした。以来、感謝の意を示す記念行事として、毎年9月25日に売り上げの全額チャリティーに当てる「10円カレー」の販売を行っており、現在では都心の秋の風物詩として定着している。長い歴史の中で、政治家、海外VIP、文豪など訪れた著名人は数多く、夏目漱石高村光太郎松本清張などの文学作品に舞台として登場することでも知られている。

(2012-09-26)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の松本楼の言及

【日比谷公園】より

…アーク灯,ガス灯による夜間照明,珍しい西洋花壇などに人気が集まり,大きな道路は馬車の乗入れを想定したものだった。公園中央には松本楼が建てられたが,公園に高級割烹店を設けるのは,上野の精養軒,芝の紅葉館など明治の公園を性格づけるものである。その後,日比谷図書館(1908),野外音楽堂(1923),公会堂(1929)が建った。…

※「松本楼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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