世界大百科事典(旧版)内の板腔体の言及
【戯曲音楽】より
…その他漢劇,徽劇(きげき),湘劇,桂劇,粤劇など多くの劇種が皮黄腔を用いている。 中国戯曲音楽はその唱腔(歌唱)の構成原理から,(1)聯曲体,(2)板腔体,(3)総合体に大別される。聯曲体とは劇全体が多くの独立性をもった楽曲(曲牌(きよくはい)という)の組合せによって構成されるもので,板腔体とは,ある曲調を基礎としてこれに速度,リズム,旋律上の変化を加えることにより系列の異なるさまざまな拍子(板眼または板式と称する)を作り上げ,それらをつなぎ合わせて構成する方法である。…
【中国音楽】より
…これらの劇種は,本来,既成旋律の配合と作詞で新作するもので,歌詞のすばらしさ,言葉の抑揚や響き,それに音進行の結合の妙により,いかに感動的に耳に快く伝えるかに主眼をおいた。この聯曲体に対し,〈板腔体〉とよばれる,字句の数がほぼ固定し,簡単な旋律をもとにリズム型によって変奏する〈梆子(ほうし)〉系戯曲が,17世紀に現れた。これは歌唱者を固定旋律から解放して,旋律にくふうを凝らすことを可能にし,同時に鮮明な拍節感の魅力もあいまって,全国各地の物語音楽に大きな影響を与え,北方地方劇や,漢劇,川劇,京劇などで広く用いられている。…
※「板腔体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」