構造人類学(読み)こうぞうじんるいがく

世界大百科事典(旧版)内の構造人類学の言及

【構造主義】より

…1960年代以降フランスで生まれた現代思想の一潮流。フランスの人類学者レビ・ストロースは,ソシュールに始まり,イェルムスレウらのコペンハーゲン学派やヤコブソンらのプラハ言語学派において展開された構造言語学や,数学,情報理論などに学びつつ,未開社会の親族組織や神話の研究に〈構造論〉的方法を導入して,構造人類学を唱えた。やがて1962年に公刊した《野生の思考》は,これまで非合理的なものとされていた未開人の〈神話的思考〉が,決して近代西欧の〈科学的思考〉に劣るものではなく,象徴性の強い〈感性的表現による世界の組織化と活用〉にもとづく〈具体の科学〉であり,〈効率を高めるために栽培種化された思考とは異なる野生の思考〉であることを明らかにして,近代西欧の理性中心主義のものの見方に根底的な批判を加えた。…

【レビ・ストロース】より

…第2次大戦後帰国し,50年パリ高等研究院宗教科学部門を担当,59年コレージュ・ド・フランス社会人類学講座の初代教授となった。その構造人類学の特色は,ソシュール,ヤコブソンの構造言語学に示唆を受けて,音韻体系や詩的言語構造と類比的なモデルを文化現象に広く見いだすところにある。有限個の要素が一定の配列規則群によって無数の陳述をうみ,さらに隠喩と換喩の作業が詩的言語をうみだすように,文化の基本構造そのものが言語に似たコミュニケーション体系をなすとみる立場である。…

※「構造人類学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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