世界大百科事典(旧版)内の構造学派の言及
【ラテン・アメリカ】より
…すなわちブラジル,メキシコなど一部の国々を除き工業の発展が遅れ,各国経済の第1次産業への依存度が高いこと,近代的な生産構造が確立しておらず生産力水準・生産効率が相対的に低いこと,所得の不平等分配が著しくかつ高額所得者層の投資意欲が低いため国内資本形成が遅れていること,資本,技術,生産財供給において先進諸国への依存度が高いことなどで,対外的に脆弱な経済構造が温存されていることなどである。こうした低開発性の根源を究明する経済理論として第2次世界大戦以降ラテン・アメリカの中からプレビッシュ理論(プレビッシュ報告),従属論,構造学派の理論などが提起され,対外従属的な低開発経済を改める戦略として,工業育成,国内の資本形成,技術開発,企業家養成,土地改革を含む制度改革,域内協力などの政策が提起された。これらの開発をめぐる理論や政策はラテン・アメリカだけでなく他の開発途上諸国にも大きな影響を及ぼした。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」