世界大百科事典(旧版)内の比較劣位の言及
【産業調整】より
…経済成長という動態的な過程のもとで各国の比較優位産業はつねに変化している。自由貿易が円滑に行われるためには,比較優位を失い,比較劣位におちいった産業の労働者が他産業に移ったり,その産業の生産設備の縮小が行われる産業調整が必要である。ところが近年の先進諸国では,石油危機後の低成長下で労働者が新しい雇用機会を求めにくいこと,資本設備が大規模で一貫生産体制をとっている産業で操業率を低くしたり設備廃棄にふみ切りにくいこと等から,産業調整を拒み比較劣位産業の温存をはかる傾向がある。…
【比較優位】より
…比較優位という考えはリカードによって初めて明確に述べられ,以後国際分業の理論の中心概念となっている。各国は外国に比べて国内で割安に生産できる財に比較優位をもち,逆に他国に比べて国内で割高につく財に比較劣位をもつといわれる。各国は自国が比較優位をもつ財を輸出し,比較劣位をもつ財を輸入する。…
※「比較劣位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」